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【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part5 37 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/11(木) 13 16 13.53 ID MSCP.no0 とてつもないGがアムロの骨格を軋ませ呼吸を困難なものにする。 この体がシートにむりやり押さえ付けられる様な感覚は、ガンダムがWBのカタパルトから発進する時に掛かるそれと酷似していた。 まさか水中でここまでの加速がなされるとは。まともに身体を動かす事もままならない。 だが、このような状況の中でアムロの瞳に映るホルバインの横顔は、信じ難い事に、これ以上無いほど嬉しそうなのだ。 「敵さんの迎撃準備が整わないうちに各個撃破だ!距離500で反転する!前・後で一撃づつだ!やれるな?」 「や・・・やって・・・みます!」 「上等!」 歯を食いしばりながら言葉を搾り出すアムロに対して、大口を開けて笑うホルバイン。 この男、この様な状況の方が生き生きして見えるのは気のせいではなさそうだ。 ホルバインは、こういった極限状態では“スイッチ”が入るのかも知れない。 それが何のスイッチなのかは知らないが・・・と、アムロは思い通りに動かない腕を宥めすかし、眼前のモニターを何とか操作し、メガ粒子砲発射トリガーに慎重に手を掛けた。 細かく狙いを付ける必要は無い。敵は正面にいた! 「メガ粒子砲発射!」 ゾックの頭頂部に装備された1番砲口からゾックの進行方向に向けてパイロットブレットが射出されるや、ビームの奔流がその後を追う様に迸り、そのまま敵MSに殺到し、派手に水蒸気爆発を巻き起こした。 ゾックには9門のメガ粒子砲が装備されているが、パイロットブレットの気泡が巻き起こす射路が必要なエーギルシステムは基本的に水中で移動しながらのメガ粒子砲発射は想定されていない。 だが、頭頂部位にあるこの1番砲口に限り、進行方向と同ベクトル時のみ「進行方向に向けて」発射する事ができる。 敵と正対せねばならない為にリスクは増すが、その威力を考えるなら充分に引き合うものであった。 「ヤッハー!ウォォ!ヤーハハハハッハー!!」 ハイテンションな奇声を上げながらホルバインは、すかさずゾックの機体を45度バンクさせ、そのまま斜めに上方宙返りさせる。 ターン開始時と終了時で進行方向を180度変え、速度を減少させる代わりに深度を上げるテクニックである。 ホルバインは水平潜航には移らず、進行方向はそのまま、ゾックの機首を40度ほど持ち上げた。 これにより、両肩上部に装備されたメガ粒子砲口を可動させる事で、自身の後方へのビーム攻撃が可能となった。 これは、前後対称の得意な形状を持つゾックならではの機動であった。 強力な推力に支えられ、スピードは、落ちない。 撹拌されるミキサーの中のバナナの気持ちはいかばかりかと慮ったアムロはしかし、少しだけ愉しい気分になって口元を綻ばせた。 この加速機動、悪くない! 「メガ粒子砲、発射!」 グリグリと起き上がり角度を変えた、ゾックの両肩上部に装備された6番7番砲口から強力なメガ粒子ビームが2撃、またもや後方の敵軍に浴びせ掛けられ、狙いは違わず今度は敵陣の中央で巨大な水蒸気爆発を巻き起こす事に成功した。 混乱の中での再々度の痛撃である。確認する必要はあるが、これで敵部隊は殆んど壊滅状態だろう。 だが、ここで一息入れる訳には行かない。 敵に時間的猶予を与えず、親玉たる潜水艦と空母を速攻で叩きに行くべきだ。 ゾックの機体を水平に戻しながら、ホルバインは冷静にそう決断していたのである。 94 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/12(金) 20 11 13.32 ID 1n11QXg0 「壊滅だと・・・!?何故だ!?相手はたった・・・たった1機のMSなんだぞ!」 「・・・遺憾ながら、敵MSの性能は我々が考えるより遥かに高かった、と、言わざるを得ません」 「貴様っ!?何を今さら!!」 「艦長!敵MSがこちらに向けて迫って来ます!」 技術参謀に掴み掛からんばかりにキャプテンシートから腰を浮かせたブーフハイムを押し止めたのは水測員からの一報だった。 「う、撃て!撃て!魚雷で奴を叩き落せ!」 「管制室。魚雷発射だ。敵は1機、外すなよ!」 ヒステリックに喚き散らすブーフハイムの言葉を冷静に翻訳した参謀はこの艦では副長も兼ねている。 これまでも【アナンタ】では見慣れた毎度毎度の光景、その苦労はいかばかりのものであっただろう。 「水中音発生、前方から魚雷です!」 「構わねえ!このまま突っ込むぜえ!」 アムロの報告にホルバインは不敵に答える。 その言葉通り、ほぼ正面から迫り来る3本の魚雷に対し、ゾックは敢えてビームを発射せず、ギリギリまで引き付けてから高速バレルロール(高速で機首を上げ、同時にロールを行う事で横倒しの樽の内側をなぞるように螺旋を描き機動する)で三本の魚雷の横をすり抜け躱してみせた。 そしてロールが終了した地点、ゾックは既に真正面に敵潜水艦を捉えている。 ターゲットとなる敵潜水艦は3隻。だがこれは先程こちらに向けて魚雷を発射した艦ではない。 ホルバインは、ゾックに一番近い潜水艦を狙うと見せかける為に突撃を掛け他艦の油断を誘い、バレルロールでダミーの敵をアッサリすっ飛ばすと、敢えて後方に位置している敵への射路を開いたのだ。 「パイロットブレット射出!メガ粒子砲発射!」 阿吽の呼吸でアムロが放った攻撃が的確に敵潜水艦のエンジン部を捉え、巨大な爆発を伴い轟沈せしめた。 アムロとホルバインは一瞬互いの視線を合わせ、また各々の仕事に向き直る。 言葉など必要は無かった。 アムロはホルバインのタフな技量に憧憬を覚え、ホルバインはアムロの判断力とカンの良さを頼もしく感じた。 背中を預けられる。 2人にとってその認識だけで十分だったのである。 120 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/15(月) 00 21 44.24 ID WaUI52o0 縦横無尽に水中を跳び回る敵MSが2隻目の友軍潜水艦を撃沈したのを見届けると、ブーフハイムは覚悟を決めた様にキャプテンシートの肘掛の先にある小さなパネルを操作した。 「艦長!!何を!?」 その動きに気付いた参謀の質問を無視してブーフハイムは操作を続行する。 「まさかこの状況でアレを発射するおつもりなのですか!?」 「こちらにはこの切り札があるのだ!ジオンの基地など一撃で撃破してくれる!」 参謀は考えられないとばかりにキャプテンシートに詰め寄った。 「無意味です!アレによる攻撃は、我々がジオン水中部隊を掃討している事が大前提です。 連邦軍がアデン基地への制海権を手中にしていてこそ、初めて意味があるものなのです! 今は、それよりも全速で後退しつつ【フォート・ワース】に救援を要請して対潜攻撃機を・・・」 「黙れ!黙れ!黙れ!このままやられっ放しで戻れるものか!」 血走った眼を剥いて激昂する艦長をなるべく刺激しないように細心の注意を払いながら、参謀は冷静に言葉を続け説得を試みた。 「【気化弾頭ミサイル】・・・艦長。アレ自体は確かに南極条約で使用禁止の条項はありません。 しかし人道的見地から逸脱した大量破壊兵器です。 作戦立案時に、アレを使用するタイミングは入念に検討されたではありませんか。 例えアレを使用してジオン軍を掃討したとしても、ジオン水中部隊が健在なこの状況では、我々の空挺部隊はアデン基地に突入できません。 空母をもし敵の水中部隊に沈められでもしたら、連邦軍はジオンの勢力圏内で孤立してしまうからです。 つまり、我々はどのみち基地を制圧できないのです。 アレを使えば、ジオンどころかアデン基地周辺の街も消滅します。 連邦軍は世論を敵に回す事になり、巻き込まれる一般市民は、無駄死にです」 ちなみにこのミサイル、もちろんミノフスキー粒子のせいで誘導する事はできないが、自機とターゲットポイントの正確な位置関係が把握されている為、放物線を描く様に打ち出す事で狙った場所へ「落とす」事ができる。 着弾までの時間も割り出せるので、タイマーによる空中爆散も思いのままだ。 一方、空から降ってくるミサイルに対し、地上から迎撃ミサイルを撃つ事は不可能である。 「黙れと言った!貴様のような臆病者に用は無い!ジオンなど、俺だけで倒す!!ミサイルサイロ開け!!」 「・・・!」 ゴゥンと艦の上部に設置されたサイロが開いたのが艦内に響く微かな音と振動で感じ取れる。 この艦長を説得し切れなかったのだと理解した参謀は、慙愧の思いで唇を噛むしかなかった。 121 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/15(月) 00 22 36.73 ID WaUI52o0 2隻の潜水艦を沈める事に成功したゾックは、残る1隻に機首を向ける為の反転中に異常を察知した。 「この音は・・・!!逆進中の敵艦が、上部ハッチを開けています!」 「何だと!?」 アムロの声に驚いたホルバインがレーダーモニターを見ると、最後の標的たる光点から高速で分離した新たな光点がゾックの脇を掠める様に通り過ぎ、みるみる深度を上げてゆくのが確認できる。 途端、アムロの脳裏に電光が奔った。これは・・・! 「ホルバイン少尉!アレを逃がしちゃ駄目だ!追って下さい!」 「くっ・・・!!」 反転機動を中途で無理矢理キャンセルしたゾックがミサイルを追って強引な上昇を開始する。 「アップ90度!急速浮上!」 ホルバインはアムロの要求に「何故だ」とは聞かなかった。 一蓮托生であり一心同体。この短い時間の中で、交わす言葉は少なくとも、2人は互いを信頼できるかけがえの無い相棒だと認識していたのである。 「アムロ!敵さん、後ろから魚雷を撃ちやがったぜ!」 ゾックがミサイルを追い掛けて上昇を始めた為、逃げていた筈の敵潜水艦が一転、こちらに向けて追尾魚雷を放ったのである。 アムロもモニターでそれに気が付いていたが、斜線が重ならない為にどうする事もできない。 ゾックは進行方向の前後にしかビームが発射できないからだ。 だが最短距離でミサイルを追うのを止める事はできない。 ここは危険を承知で後方から迫り来る魚雷に最大限の注意を払いつつこのままミサイルを追い、ミサイルを撃墜させた後、その時点で至近距離まで迫っている筈の魚雷を迎撃するか避けるかするしか無いだろう。 深度が上がり水面がみるみる迫る。スピードの遅い水中で仕留められねば恐らく前を行くミサイルの撃墜は不可能だ。 ホルバインはミサイルの上昇角度にゾックの浮上ベクトルを合わせる様に慎重に機動を調整し、やがて上昇するミサイルの真下に回りこむ事に成功した。 アムロの眼には今や目前のミサイルしか見えていない。 コイツをここで取り逃がすと取り返しの付かない事になる。何故だかそれだけは確信できていた。 計測によると、ゾックとパイロットブレットの方がミサイルより数段速い。 これならば、エーギルシステムが使用できる筈だとアムロは判断した。 ミサイル自身の吐き出す気泡も「射路」として利用できるだろう。 「メガ粒子砲、発射!」 精神を集中し、機をギリギリまで見極めたアムロの放った一撃が、上昇中のミサイルを貫き木っ端微塵に吹き飛ばした。 ミサイル撃破を確認したホルバインは、魚雷回避の為の緊急ロールをゾックに掛ける。 海面スレスレではあったが、兎にも角にも水中で爆散した気化弾頭ミサイルは、その本来の威力を千分の一も発揮させる事ができず、空しく海中に消えたのである。 しかしその時、廻る天地の中、思わず快哉を叫ぼうとしたアムロの言葉を遮る様に轟いたホルバインの叫び―― 「駄目だ!衝撃に備えろ!」 ――それとほぼ同時に激しい衝撃がゾックを突き上げ、コックピットの2人を弾き飛ばした。 153 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/16(火) 19 49 36.99 ID PdjxDFg0 鮮血がコックピットに飛び散った。 本来単座だったゾックに短時間で補助シートを増設した為、その機材の一部は仮止めされた様な状態であり、コックピットエリアを歪める程の衝撃で床のパネルの一部が弾け跳びホルバインの脇腹を抉ったのだ。 「ホルバイン少尉!」 「・・・騒ぐんじゃねえよ・・・!」 どくどくと血の流れ出した脇腹を押さえたホルバインは、それでも手負いのゾックを上昇させ、海面から機体上部を浮上させるとコックピットハッチを開いた。 外は激しい嵐であった。強風と雨粒が容赦なくコックピットに吹き込み、2人の足元に赤い水溜りを作ってゆく。 「アムロ、お前は脱出しろ。お前の着ているライフジャケットは灯火ビーコン付だ。運が良ければ助かるだろう」 「そんな!?ホルバイン少尉はどうするんです!」 ホルバインは咳き込み少しだけ血を吐くと、弱々しいが不敵な笑みを浮かべた。 「決まっているだろう。あの野朗にオトシマエを付けに行くのさ」 「僕も一緒に行きます!」 「バカ野朗!見ろこの嵐を!この中をジャケット一つで漂うなんざ自殺行為だ! 手負いのコイツで、もう一度潜り戦闘を仕掛けるのも正気の沙汰じゃねえ! 進むも地獄、引くも地獄なんだよ! なら、二手に分れりゃどっちかは助かるかも知れねえだろうが!」 ホルバインは痛みをこらえてベルトを外し、傾いたシートから立ち上がるとアムロのシートベルトを外し、その胸倉を掴んで無理矢理シートから引き剥がした。 怪我人とは思えない程の力にアムロは抗う事ができなかった。 「嫌だ!ホルバインさん!」 涙声で抵抗するアムロを無視してホルバインは自分の首に掛かっていた銛のペンダントを引き千切り、アムロの胸ポケットに押し込む。 これは彼の「じいさんの形見」であり、戦場から生きて帰る為のお守りであった。 だが、ホルバインは自分が負った傷が致命傷だという事を悟っていた。 ならば、これはこの赤毛の少年に持たせるのが正しいだろう。 ホルバインは何も言わず、雨風吹き込むハッチから、アムロの身体をゾックの外へ無造作に放り出した。 空中で彼に向けて手を伸ばしたアムロの泣き顔を激しい雨と波飛沫が洗い流す様に叩き、その絶叫を轟く雷と逆巻く強風が掻き消した。 213 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/19(金) 11 11 48.78 ID 3F9OKks0 時化の激しい波に揺さぶられ、吐くものも出し尽くした子供達がぐったりと身を寄せているその中で、蹲っていたララァがふいに顔を起こした。 「そんなに泣かないで・・・」 「え?」 まともに歩く事もできない船室で一人だけ気丈に動き回り、幼い弟妹や具合の悪い子供達の面倒を見ていたミハルは、微かに聞こえたララァの声に振り返った。 少々ガラは悪いものの、生来の面倒見の良さとその人となりで、ミハルは何とは無しにこの集団のリーダー格となっていた。 「ララァ、どうしたんだい?・・・また何か聞こえた?」 ミハルはララァに声を掛けながら近付くと、後半は耳元でそっと囁いた。 ララァの“この能力”を他人にはあまり知られない方が良い様な気がしていたからである。 何故なら彼女が≪不幸≫になるかも知れないから。 ただ漠然とだが、ミハルにはそう思えて仕方が無かった。 「駄目・・・届かない・・・悲しみが深すぎて・・・閉じてしまった・・・」 「・・・?」 眉間に皺を寄せて悲しそうにするララァに、ミハルはどうしてやる事もできない。 一体彼女には何が見えているというのだろうか。 「・・・ブッダは・・・死は無だと言ったって・・・」 「・・・」 今度はララァはミハルの方を見ずに、まるで誰かに語りかける様に、視点を固定したままポツリとそう漏らした。 この娘はたまにこういう不思議な言い回しで、独り言のような言葉を紡ぎ出す。 正直、その意味など学の無い自分には判るはずもないが、その落ち着いた声音と深遠な瞳の色が相まって、 何故だか妙に心が落ち着くのを感じる。 何となく側にいたくなる。そんな不思議な吸引力が彼女には備わっているのかも知れない。 果たして、その視線の先には何が見えるのかしらと試しに眼を凝らしてみるミハルだったが、 彼女の眼ではどうやっても薄暗い部屋の汚い壁しか見る事はできなかった。 380 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/22(月) 21 10 10.18 ID HShbR7E0 海面にアムロを残し、潜行というより落下に近い軌道でゾックは再び水中に没した。 後方からの魚雷を避けきれず、至近距離で炸裂した爆圧の衝撃でバランサーに深刻なダメージを受けたMSM-10は、今やパイロットと同様、満身創痍の状態であった。 恐らくこの状態で潜水したら2度と浮上する事は叶わないだろうという事もホルバインには判っていた。 しかし、あの潜水艦を放っておく事はできない。 アレは仲間の為に今、ここで狩り獲っておかねばならない獲物なのだ。 今日はこのゾックで大漁を挙げたが、最後の最後にケチが付いたんじゃ締まらねえ。 大量の失血の為、朦朧とする意識の中で彼はそれだけを考えていた。 奇跡的にコックピットブロックへの浸水は無く、気密は保たれている。 先程までは焼ける様に感じていた脇腹の痛みも、何故か今は全く感じなくなった。 これならこの命が尽きるまでにアレを仕留められるかもしれない。いいぞ。やはり今日の俺はツイている。 ホルバインは嬉しそうに口から溢れ出て来る血を片腕で拭った。 刹那、ゾックを追う様に深度を上げて来ていた敵潜水艦が、こちらに向けて2本の追尾魚雷をまたもや放った。 しかしゾックは先程とは同一の機体とは思えない程よたよたした機動ながらも、何と魚雷を2本とも躱してみせたのである。 それは現在のMSM-10の状態を鑑みれば完全に常識を超えた拳動であり、彼の技量の高さをして始めて為しえた奇跡であった。 だが、その急激な旋回がホルバインの傷を更に深いものにしてしまった。 ホルバインは、急激に自分の身体の力が抜けてゆくのを感じた。 血だらけの左掌が操縦桿からずるずると滑り落ちて行くのをどうする事もできない。 同時に視界が少しづつ暗くなって行く。 待て、待て、まだだとホルバインは眼を見開いてモニターを凝視する。 敵は正面にいる筈だ。まだ辛うじて動かす事のできる右手で1番砲口のトリガーを絞るが、エーギルシステムは動作不全を起こしており、パイロットブレットすら発射する事ができなかった。 構うものかとホルバインはそのままゾックを突入させ、すれ違いざまそのクローによる決して浅くは無い一撃を【アナンタ】の舷側に見舞う事に成功した。 船体を破られた【アナンタ】は水圧によりたちまち圧壊し始め、ブーフハイムらと共に、そのまま海の藻屑と消えてゆく。 しかし自分がその生涯で最後に仕留めた獲物の行く末を確認する事無くホルバインは眼を閉じた。 だが彼にはまだやる事があった。彼は今にも途切れそうな意識を集中させるとオール回線でこの海域の全ての兵士達に呼び掛けたのである。 「・・・俺はジオン公国レッド・ドルフィン隊所属のヴェルナー・ホルバイン少尉・・・この海域の洋上に要救助者・・・若い兵士だ・・・敵でも味方でも誰でもいい・・・奴を助けてやってくれ・・・」 あの状況、アムロが無事に救助される可能性はゼロに近いだろう。 この通信によって味方に保護されるなら言う事は無いが、例え敵の手に落ちたとしても、そこから先の運命を切り開く事ができるかも知れない。 だが死んでしまえばその僅かな可能性すら失う事になるのだ。 何より一番大事な事はここで命を落とさない事だ。ホルバインはそう考えたのだった。 自らの血に塗れた右腕がゆっくりと操縦桿から離れる。いい。もう自分ができる事は何も無いのだから。 ホルバインは頭を静かに後ろに倒した。ただ達成感だけが彼を包んでいた。 やけに静かだ、そして深く、暗い。 ミシミシとゾックの機体に亀裂が奔って行くのが判る。この頑丈な機体にも流石に限界が来た様だ。 自分はこれから死ぬのだろうか。死ぬと人間はどうなるのだろうか。 怖い・・・怖い所に行くのだろうか。 ≪・・・ブッダは・・・死は無だと言ったって・・・≫ へえ。そうなのか? そのブッダって奴は知らないが、無なら怖いってのも無しだよな?ありがとうよお嬢さん。気持ちがずいぶんと楽になったぜ。 意識の中で褐色の肌の少女と邂逅したホルバインはそして、視界いっぱいに広がる海を見た。 彼のじいさんにとっては空想でしかなかった本物の海に抱かれて、彼は幸せであった。 381 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/22(月) 21 10 32.78 ID HShbR7E0 「・・・MSM-10の反応、消えました・・・」 「何てこった・・・」 アッガイに搭乗しているマーシーからの通信を受け、ゴックを操縦するラサは天を見上げた。 ここはアデン湾の北西、ゾックが沈んだ地点から約10キロ離れた海中である。 アデン基地まで輸送機で運ばれレッド・ドルフィン隊と合流したシャア達は、無事アデン基地に上陸したフェンリル隊と入れ替わるように彼らの潜水艦に乗り込みここまでやって来た。 連邦艦隊が近い事もあってレッド・ドルフィン隊の潜水艦より先行してシャア達3機の水陸両用MSは戦闘海域に向かっていたその途中、偶然にホルバインの通信を拾ったのだ。 赤いズゴックを駆るシャアは唇を引き締めた。 「間に合わなかったか・・・だが、ホルバイン少尉。貴君の要請、このシャア・アズナブルが確かに受け取ったぞ」 そしてシャアは仮面の下の眉根を一瞬歪め―― 「海は見えたか・・・海兵」 悲しそうにその瞳を遠いものにして無意識にそう、ひとりごちた。 445 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/27(土) 12 27 11.48 ID W99uheY0 今、ホルバインが死んだ―― 最後の瞬間、それをアムロは感じ取る事ができた。 激しい風と雨に打たれ、逆巻く荒波に翻弄されながらアムロは慟哭していた。 幾度と無く絶叫を繰り返した為に咽は切れ、海水を何度も飲み込んだ為に激痛が生じ、声はもはや枯れ果てた。 だが、この程度の苦痛は死に行くホルバインの激痛に匹敵するものではなかっただろうとアムロは顔を両手で覆った。 ホルバインを殺したのは自分だ。 自分がもっと早くあのミサイルを撃墜していれば。 いや違う。 自分があの時、ミサイルを追う様に指示を出したが為に、結果的にあの優秀なパイロットを死なせてしまった。 全ての責任は自分が負うべきだったのに。 それなのに何故、ホルバインは死に、自分はこうして生きている? 何がニュータイプだ! 人を不幸にするこんな能力など、いらない。 この激しい雨と風と波に揉まれてその全てがこの体から流れ出してしまえばいい・・・ アムロはまたもや高波に呑まれると、暫く後に波間に浮かび上がり・・・ そんな状態を何度か繰り返した後、やがて意識を消失していった。 しかしどんなに激しい波に打ち据えられようと、アムロの身に付けたライフジャケットは決して沈まず、その灯火は消える事無く彼の存在を波間に誇示し続けていた。 それはまるで、ホルバインが最後に託した願いの様に。 そしてその小さいが確かな光は、民間の中型漁船を模した偽装貨物船【フォルケッシャー】からもはっきり視認されていたのである。 446 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/27(土) 12 27 51.48 ID W99uheY0 「船長!洋上三時の方向に灯火(フラッシュライト)とビーコンシグナル確認!要救助者です!識別信号はジオン軍のものです!」 「・・・厄介だな・・・連邦艦の動きはどうだ」 「変わらずです、駆逐艦と思われる一隻が急速に接近中。通信はまだ届きませんが、恐らくこちらを臨検するつもりだと思われます」 「ふうむ・・・我々には重要な任務がある。ここまで来て連邦軍に尻尾を掴まれる訳にはいかんのだ。 ここは、あえてあの灯火に気が付かないフリをしてやり過ごすのも手か・・・」 そのあまりにも無慈悲過ぎる船長の発言に、双眼鏡から眼を離さないまま、がっしりとした体格のククルス・ドアン少尉は憤った。 「何を言うんですか船長!一刻も早く助けてやらなければ死んでしまいますよ! それに見て下さい!どう見てもあれは子供だ! いくらこっちが隠密だからって、このまま見殺しにするつもりですか!」 ドアンの声に貧相な顔をした船長は、面倒臭そうな顔でその手から双眼鏡をもぎ取り、自分の目を凝らした。 「・・・なるほど確かに子供の様だな。 本国からは学徒兵の話はまだ聞いていないが・・・ だが、宜しい。連邦艦艇が到着するより先に奴を確保し【船底】に運び込め。 検体が増えれば、マガニー博士に到着が遅れた事の申し開きが少しは立つだろう」 ぎょっとしてドアンは船長を振り返った。 「検体!?まさか船長、あの兵士を【施設送り】にするつもりなのですか!?」 「それしかなかろう?今ここで彼を助けるというのはそういう事だ。 それに君が言った通り、ここで死ぬよりはマシな選択だと思うが」 いけしゃあしゃあと答えた船長をドアンは憎々しげに睨み付けた。 生死不明の状態で正規の手続き無しにあそこに送られた兵士は、秘密裏に登録を抹消され2度と原隊へは戻れないだろう。 しかし、それでもドアンは素早く救助用の救命胴衣を身に付けるとフックを確認しロープを肩に担いだ。 「・・・確かにこの状況では彼の身柄は【船底】に隠すしか無いでしょうね。 しかし最重要軍事機密に関わるあの部屋を見た者は、どちらにせよ、と、いう訳ですな・・・ 了解です。慎重に船を寄せてください、私が救助に向かいます」 「奴の着ているライフジャケットは切り裂いて海に投棄しろ。急げよ」 後ろから掛けられた船長の声をドアンは無視して強風吹き荒ぶ甲板に走り出た。 しかし命令を苦々しく反芻しながらも彼は、太い二の腕に巻き付けたベルトに刺さるナイフのチェックは怠らなかったのであった。 478 名前:1 ◆FjeYwjbNh6[saga] 投稿日:2009/06/28(日) 19 26 35.72 ID 3BSp6bU0 ゴトンと鈍い音がすると硬くロックされていた扉がゆっくり開き、びしょ濡れの大柄な男が、ミハル達が身を寄せ合う部屋に入って来た。 「済まないが手を貸してくれ」 男は誰かを背負っているようだ。 大柄な男がククルス・ドアン少尉だという事が判ると部屋の空気が明らかにほっとしたものに変わる。 ミハルは無言で彼の元に駆け寄った。 ドアンはこの船の乗組員の中で唯一、子供達に優しく接してくれる軍人だった。 他の奴等の様に邪険にもしなければ、ミハルやララァを嫌らしい眼で見たりもしない。 子供の一人が熱を出した時は自分が使用していたであろう寝具を譲り、熱が下がるまで寝ずに看病までしてくれた。 ミハルは、そんなドアンの態度に内心感謝し、少しだけ心を許してもいたのである。 『済まない』 いつもそれが彼の口癖だった。 「この子、軍人さんだね?」 「ああ。海に浮いていたんだ。この近くで海戦があったらしい。あと15分も遅かったら危なかったが・・・ 水は吐かせたし、今は呼吸も脈拍も正常だ。暫くすれば眼を覚ますだろう」 てきぱきと毛布を敷いて簡易の寝床を拵えたミハルは、ドアンの背中から小柄な兵士を降ろすのを手伝い、頭を打たせない様に注意しながらゆっくりと体を仰向けに横たえた。 「まだ子供じゃないか・・・あたしより年下かも知れないね」 「ジオンも兵隊がいなくて苦しいのさ」 ぽつりと呟いたドアンの横顔をミハルはハッとした様に見つめる。 「良いのかい?さっきから迂闊にそんな事をあたしなんかに・・・」 「おっと・・・そうだったな。済まん。どうも俺は軍人には向いていないらしい」 ここで彼女に謝ってしまうのがドアンという男なのだろう。 朴訥に頭を掻きながら身を起こした巨漢を見て、ミハルはくすりと笑ってしまった。 もちろんドアンは怖い軍人であり、自分よりも遥かに年上の筈なのだが、何となく微笑ましく感じてしまう。変だろうか。 「事情によって彼は今後君達と行動を共にすることになった。済まないが少しの間辛抱してくれ。後でまた来る、彼を頼む」 ミハルに後を託すと、ドアンは急いで部屋を出て行った。 またもや外から重く閉められた扉に、ミハルは溜息を吐く。 しかし次の瞬間には、寝かされた兵士の周りに興味津々で集まる子供達の姿があった。 「こらこら!触るんじゃないよ!おや、珍しいねララァ。あんたまで」 子供達の中には、普段から何事にもに無関心だったララァが混じっていたのである。 ララァはその澄んだ目を近づけて、昏々と眠っている少年兵の顔を凝視している。 「とても辛い目にあったのね・・・だから・・・」 ゆっくりと手を少年の顔に伸ばしたララァは、その閉じられた瞼の端から新たに流れ落ちた涙の雫を、その掌でそっと拭い取った。
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【作品名】機動戦士ガンダム 【ジャンル】小説 【名前】アムロ・レイ(小説) 【属性】ニュータイプ 【年齢】20歳 【長所】小説ではセイラと恋人になって肉体関係もある 【短所】リック・ドムにやられて戦死、だが逆シャアの小説ではアムロにはお腹の赤ちゃんがいて幸福度が大分違う 【備考1】享年 【備考2】知ってる人は知ってるだろうけど1stガンダムはアニメと小説では設定もストーリーも全く異なる。 アムロは民間人ではなく既に入隊してて連邦軍の曹長となっている。 そのアムロがこの小説の一年戦争では撃墜されて明確に死亡している。ついでにハヤトも一年戦争で死んでる。 設定年齢も違うようでこの小説版のアムロの年齢は ↓以下、原文 " そのブライトの言葉にアムロは全身をくすぐられる思いがした。 二十年の自分の人生の中で他人から人物とか男とかいわれる一人前の呼び方をされた記憶はなかった。 " ↑原文ここまで と書かれているので20歳である。なお、アニメ版での1stのアムロはこの時点で15歳。 vol.2
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アムロ「はあ・・・・」 ロラン「どうしたんですか兄さん。溜め息なんて、らしくありませんよ?」 アムロ「いや、今日は僕にとって天中殺だったなあ、ってね」 ロラン「何かあったんですか?」 アムロ「・・・昼頃だったか、いきなり後ろから『だ~れだ☆』なんて抱きつかれたんだ。直ぐに誰か見当はついた、『ベルトーチカだろ』なんてアダルチックなハグをしたんだ・・・・・クェスだった」 ロラン「・・・うあ」 アムロ「生まれて初めて『変態!』って言われた・・・」 ロラン「兄さん・・・」 アムロ「公園のベンチで軽く凹んでると、視界にミニスカ履いた生足が飛び込んできて、『アムロさん?』と声掛けてきた・・・」 ロラン「・・・・」 アムロ「チェーンだとNTの勘で判断して彼女の腰を掴んで柔らかいお腹に顔を押し付けたんだ・・・・メイリンだった」 ロラン「普段そんなことしてるんですか?」 アムロ「最近あの二人の声おんなじなんだよ・・・コホン、で、『キャ~~~ッ!!』なんてマジもんの悲鳴あげながら走り去ったメイリンを追いかける気力も無いところに」 ロラン「まだあるんですか」 アムロ「遠目に特徴的な髪型が見えて思わずガバッと抱きついて『クスコた~ん!!』てやったら」 ロラン「ハマーンさんだったと」 アムロ「いやもう効いた効いた。ブライトの修正なんてめじゃない。思わず新しい世界にイキかけたよ」 ロラン「兄さん・・・(涙)」 マイ「う~ん」 シロー「15年振りだな、アムロ兄さんが白眼で体操座りしながら惚けてるの」 ロラン「そっとしておいてあげて下さい、兄さんは今ハートブレイクなんですから」 69 名前:通常の名無しさんの3倍 :2008/12/06(土) 21 17 26 ID ??? ユウ「…………」 シロー「ユウさん!?どうしたんですか?」 ユウ「…………」 シロー「アムロ兄さんですか?その……今……死んでて。」 ユウ「…………」 シロー「あ、はい…兄さ~~ん」 アムロ「やぁ、しろーにゆうさんじゃないか。なんだい?」 (声に抑揚がなく、白目) ユウ「…………」 アムロ「何っ!?猥褻行為で連行!?」 シロー「に、兄さん……きっとあれですよ……」 ユウ「…………」 アムロ「く、クェスとハマーン先生が被害届けを……?な、なんて事だ……」 ユウ「…………」 シロー「あ…に…兄さ~ん……連れていかれちゃった……」 ロラン「良い薬ですよ……最近調子に乗ってましたからね……」 ジュドー「うひょぉ、ローラちゃんこわ~~い」 ロラン「ギロッ」 ジュドー「すみませんでした、ロラン兄さん」 シロー「……ま、良いか…」
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このページはこちらに移転しました アムロPart2 作詞/898 アム、アム、アムロいきまーす オヤ、オヤ、オヤジにも殴られたことないのにー ららららららららららららららららららララー あか、あか、あか、紅い彗星のシャー 勝俣がしゃー (このページは旧wikiから転載されました)
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【名前/原作/信仰】アムロ・レイ/機動戦士ガンダム/機械いじり 【一人称/喋り方】僕/原作基準 【ステータス/総経験値】 筋力:C 耐久:C 敏捷:C 魔力:C 魔防:C / 総経験値:296 【アビリティ】 ニュータイプ: このキャラクターは宇宙空間に適応した人類である。 感知lv3を経験値を消費せず取得する。 エースパイロット(人型兵器): このキャラクターは人型兵器の優れた操縦者だ。 操縦(人型兵器)のレベルを白兵・回避レベルとして扱い、人型兵器の操縦に関する必要経験値を3割引きする。 メカニック(人型兵器): このキャラクターは人型兵器の優れたメカニックだ。 人型兵器の知識に関する経験値を3割引し、ダンジョンなどで、戦闘の合間に応急修理を可能にする。 最強メンタル: このキャラクターは敵の死や恐怖を直接感じ取っても動じないメンタルを持つ。 精神魔法や精神攻撃、唐突な状況の変化に耐性を獲得する。 【スキル】 召喚術lv3 (白兵lv3 回避lv3)アビリティによって取得 指揮lv3 魔力放出lv1 逃走術lv1 威圧lv2 (感知lv3)アビリティによって取得 社交lv1 製作(人型兵器)lv3 学問(機械)lv3 操縦(人型兵器)lv3 【奥義】3/4 ガンダム/特/製作(人型兵器)+学問(機械) 戦闘時、自らが製作したガンダムに乗り込んで戦闘を行える。 操縦時は体力、ステータス、攻撃手段がガンダム準拠になり、ガンダム被撃破時は健常の状態で脱出できる。 ただし一部の奥義は内部のパイロットに影響を及ぼす危険がある。 プレッシャー/P/威圧 自身の威圧レベル以下の敵、あるいは威圧を取得していない相手の筋力を一段階低下させる 効果は敵全体に発生する。 パーツ換装/主/召喚術+製作(人型兵器)+学問(機械) 一戦闘に一度のみ使用可能。予備パーツ、あるいは強化パーツを呼び出して ガンダムを補修or強化する。 強化次第では外見があからさまに別の機体になったりする。 【設定】 「ロマンがあるから」という理由で親子揃って人型兵器なんて作っちゃうメカオタク ぶっちゃけ学園に入ったのも図書館の蔵書で専門書が幾らでも読める事と、 実戦による調整が出来るからであり、然程魔法には興味がない。 ただしガンダムを作るのにも金が必要なため、結構バイトばかりの生活。 開発資金を得るために将来的にどこかの組織に雇って貰えないか期待しているので、コネを作ろうと努力中。 それなりに情報のやり取りをしたり、親父からパーツが届いたりする位には親子中は良好である。
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アムロ·レイ(0093)(Amuro Ray)(CV:古谷徹) アムロ·レイ(0093)(Amuro Ray)(CV:古谷徹)【解説】 【属性】 【台詞】 【解説】 生年月日…宇宙世紀0063年11月4日 血液型…AB型 身長…172cm 体重… 55kg 原作搭乗機…RGZ-91 リ·ガズィ →RX-93 νガンダム 通称… 【属性】 ガンダム 大型MS 「白い」機体 ニュータイプ 地球連邦軍(大尉) 年長者 【台詞】 選択時νガンダム、行きます! 戦闘画面時俺達は、世界に人の心の光を見せなけりゃならないんだ。 シャアは出ているのか? よし、そろそろ戦闘エリアに入る! クソッ、また同じ夢を見るようになっちまった。 こちらはロンド・ベルのアムロ・レイ大尉だ。援護を頼む(僚機時) こちらはνガンダムのアムロ・レイだ、よろしく。(僚機時) アムロだ。よろしく頼む(僚機時) こちらνガンダム。戦闘の意志はない。目的は同じのはずだ(僚機時·シャア以外の属性「ジオン」) シャア?貴様が何故ここに!(僚機時・CCAシャア) カミーユ!元気そうだな(僚機時・カミーユ) エゥーゴのエマ中尉か!よろしく頼む!(僚機時・エマ) こちらアムロ!カイ、また一緒に戦ってくれるんだね!?(僚機時・カイ) アムロだ。次もよろしく頼む。(僚機時、2回目以降) そちらの準備はできているか?じゃあ始めよう。(僚機時、2回目以降) 戦闘開始時ララァ!シャアと僕を一緒くたに自分のものにできると思うな! フィン·ファンネルで勝てるさ。 やってみなければわからん! 人が人に罰を与えるなどと…! ジオンか?何が起こるか分からないな(僚機シャア以外の属性「ジオン」) ジオンの強襲型か?量産されると厄介だな!(僚機ミーシャ) ガンダムか…懐かしいな、パイロットは誰だ?(僚機0079アムロ) タンク…?そのタンク、ハヤトなのか!?(僚機ハヤト) シャアだな…なんだ、ザクに乗っているのか?(僚機1stシャア) シャア「今すぐ愚民ども全てに英知を授けて見せろ!」アムロ「貴様を殺ってからそうさせてもらう!」(僚機CCAシャア) シャア「地球は人間のエゴ全部を飲み込めはしない!」アムロ「人間の知恵はそんなものだって乗り越えられる!」(僚機CCAシャア) そうか、シャアめ!(僚機CCAシャア) カミーユ、元気そうだな。行くぞ!(僚機カミーユ) よし。カミーユ、行こう!(僚機カミーユ) あの赤いガンダムの男、邪気を感じる。(僚機シャギア) カイ! まさか君とまた戦場に出るとは思いもしなかったよ(僚機がカイ) なんだ?νガンダム!?(僚機がCCAアムロ) 邪気が来たか!(VSデビルガンダム) 攻撃当たれ!(メイン射撃) 好きにはっ!(メイン射撃) てえっ!(メイン射撃) このぉ!(メイン射撃、特殊射撃) 逃がすかよぉ!(サブ射撃) フィン·ファンネル!(サブ射撃 F·Fバリア展開時) そんなものでは!(F·Fバリア展開時) 持たせるしか!(F·Fバリア展開時) 抵抗しようっていうのか!?(特殊射撃、格闘) 下がれ!(特殊射撃) くらえ!(特殊射撃) ダミーだ!(CS) 来るんじゃない!(CS) おおおおっ!(特殊格闘) てやあああっ!(格闘、特殊格闘) うわあああっ!(格闘、特殊格闘) 沈めるっ!(後格) 貴様ぁ!(後格、BD格闘) 今だっ!(BD格闘) いいかい?(アシスト時) 援護を!(アシスト時) 援護頼む!(アシスト時) サーチ見つけた! 捕らえた。 いた! こちらか 前! 右! 左! 後ろっ! ガンダムか…昔の自分を見ている気分だな。(1stアムロをロック時) カイのガンキャノン!?(カイをロック時) 来たなシャア!(CCAシャアをロック時) なんだ…νガンダム!?(CCAアムロをロック時) 敵意が無邪気すぎる…(プルをロック時) 子供につきあっていられるか。(ウッソをロック時) あれは…シャアか!(1stシャアをロック時) シャアじゃない。あの男でもない。(シャア以外の属性「赤い機体」をロック時) 被弾時ぐぅっ ちぃ! やるっ! ぐわぁっ ぐううぅ! 何、シールドが!?(シールド防御時) シールド…!(シールド防御時) 俺は味方だ!(味方からの誤射) おい、なにしてる!(味方からの誤射) 遊んでんじゃない!(味方からの誤射) 被撃破時やられる!? うわああああぁぁ! 馬鹿な!? 誰かやられたな(僚機撃破時) 味方が落ちた?(僚機撃破時) 回避時当たるかよっ 遅いな 弾切れ時撃てないのか? 敵機撃破時1機撃破! 次だ! 無駄死にをっ! だから下がれと…! カイ、一体どうしたっていうんだ!?(カイを撃破時) もらったぞ、シャア!(シャア撃破時) 終わりだシャア!(シャア撃破時) 復帰時まだ勝機はある! 集中しなければ…。 方法はあるはずだ。 これ以上ミスはできないな。 このくらい! 通信いいかい?(よろしく) よろしく頼む(よろしく) こちらは損傷なしだ。(損傷なし) 大した事は無い(損傷軽微) 装甲にダメージが…!(損傷拡大) もたせてみせる!(もう持ちません) Gクロスオーバーエゴだよそれは! νガンダムは伊達じゃない! 核の冬が来るぞ! 離れろ!ガンダムの力は…! シャア!分っているな!(僚機1stシャア) ふざけるな!たかが石っころ一つ、ガンダムで押し出してやる!(僚機CCAシャア) カミーユ!(僚機カミーユ) ハヤト!(僚機ハヤト) カイ!俺に合わせるんだ!(僚機カイ) 何だこれは····(敵GCO時) ちぃッ、あれは!(敵GCO時) 増援時援軍が間に合ったか!合流する(味方乱入) 敵!?まだ援軍がいたのか(敵乱入) 不明機が接近中!?どこの部隊だ?(シャッフル乱入) 下がってろ、シャア!(N-A-STAGE04「嵐の中で輝いて」) 俺は急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない!(N-B-STAGE04「アムロ再び」協力プレイ) 奴を仕留めなければ、死にきれるもんじゃない(N-B-STAGE04「アムロ再び」ソロプレイ) νガンダムは伊達じゃない!(N-C-STAGE07「出撃Gチーム」) あのモビルスーツを落とす(N-C-STAGE09「白いモビルスーツ」) 人が人に罰を与えるなどと・・・!!(H-A-STAGE10EX「白き機体、青き翼」) アムロ、νガンダム、行きます!(H-B-STAGE10EX「ガンダムは伊達じゃない!」) アムロ、行きます!(A-STAGE06「震える山」) 戦況変化時シャアは出ているのか?(開始30秒後) うん・・・、いいぞ。(開始30秒後) まだ援護が居る…(開始30秒後) よし、あと一押しだ。(あと1機で勝利) 作戦成功か。(勝利) くっこれ以上は戦力がもたない。(あと1機で敗北) 作戦は失敗か…(敗北) 作戦失敗か(敗北) もう時間が無いな…!(残り30秒) 勝利時俺は急ぎすぎもしなければ、人類に絶望もしちゃいない! 作戦成功だな。第二波は無い筈だ。 よし、作戦は成功だ。 すごいじゃないか。これほどの腕なら安心だよ。 いい援護だったよ! 的確な援護だった 俺も君くらいの年の頃、初めてガンダムに乗ったんだ(僚機時、属性「ガンダム」+「年少者」) 俺が初めてガンダムに乗ったのも、丁度君と同じくらいの年頃だった(僚機時、上に同じ) いいパイロットだ。ラーカイラムに回して欲しいよ(好成績時?) ハヤト、また会えて嬉しいよ(僚機ハヤト) カミーユ、腕を上げているようだな(自機カミーユ、僚機時) 君、ハロを大事にしてやってくれよ(僚機ウッソ&ハロ) 確かにあれはνガンダムだ。パイロットも凄かった……(僚機0093アムロ) ガンダムも凄いがパイロットがすごいんだ(僚機1stアムロ、) シャア、ザクでそこまでの動きか。流石だな(僚機1stシャア) 敵が退いた理由?君がチャーミングすぎるからさ(僚機、属性「女性」) シャア、腕は落ちていないようだな。(自機がCCAシャア) 敗戦時何もできないで…あぁっ…!(自機撃破で敗北) 何もできないで…俺は…(自機撃破で敗北) 敵の攻撃を阻止できなかったとは…ちいっ! クソッ、ただやられるのを見ているだけだった……! っ!…くっそぉ… 馬鹿にして…… もういいんだ!みんなやめろぉー!! コンティニュー奴を仕留めなければ、死にきれるもんじゃない。
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【SS】もしアムロがジオンに亡命してたら part2 6 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/04(日) 08 27 07 ID GH+9htui WBは1機のガウ攻撃空母と3機の輸送機を従え、一路バイコヌール基地へと空路を急ぐ。 輸送機群ははダグラス大佐率いるMS特務遊撃隊である。今回は補給がメイン任務の為、 実働部隊は搭載されていない。 その為その内の1機にオルテガが自らのドムと共に同乗し同隊の護衛を勤める。 しんがりを務めるガウの内部にはガイアとマッシュが控え、後方に睨みを利かせている。 搭載していたMSを先の戦闘で失い、デッキが空となった二機のガウは既に何処かの基地に帰還していた。 ついさっき、ラルの口からセイラの素性を知らされたばかりのアムロはブリッジを離れ、 1人MSデッキでガンダムの整備をしていた。 パネルを全開したコックピットの奥に潜り込んで、ほぼ仰向けの状態になっている。 何だか別世界の事の様でピンと来なかった・・・というのが正直な感想だ。 ジオン・ズム・ダイクン。学校の教科書に載っていた名前だ。 確かジオニズムがどうとか・・・はっきり言ってあまり興味が無いジャンルの授業だった。 漠然とだが、人間なんてそんなに都合良く変われるもんじゃないだろうと思えたからだ。 試験に出るから名前と年号だけは覚えたけど。 セイラさんはその、ジオン・ズム・ダイクンの娘。 セイラさんの本名はアルテイシア。 セイラさんの兄は「赤い彗星」のシャア・・・ アムロは黙々と整備を続ける ダイクン派だったラル大尉達が、ダイクンが死去した後、いかにザビ家に冷遇されたかという事も聞いた。 もう既に死んでしまったと諦めていたダイクンの遺児セイラと逢えた事がどれ程嬉しかったかも。 そしてセイラの兄も意外な人物として生存している事が判明して・・・ もう何だか、驚く事が多すぎて考えがまとまらない。 WBでずっと一緒に戦っていたのに、彼女の事を何も知ってはいなかった自分に 改めて愕然とするアムロだった。 ・・・セイラさんは僕の知っているセイラさんじゃ無かったのかな・・・ そんな不安も頭をよぎる。 荒くれ者に囲まれても揺るぎの無かった彼女の気高く美しい横顔をアムロは思い出していた。 生気の満ち溢れたたあの瞳。顔が熱くなる。我知らず胸は早鐘を叩いている。 以前から綺麗な人だとは思ってはいたが、こんな感覚を今まで彼女に感じた事など無かった。 どうやらこれはやはり、あの場のジュースのせいでは無かったらしい。 もどかしい怒りにも似た感情を抑える事ができず、アムロは同期ゲージ調整を2度ほどしくじった。 「アムロ、いて?」 コックピットの外から唐突にかけられたセイラの声に弾かれた様に反応したアムロは 展開されたパネルカバーに思い切り頭をぶつける事となった。 7 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/04(日) 08 29 19 ID GH+9htui 「ど、どうしたのアムロ?」 顔をしかめ、額をさすりながらコックピットから這い出して来たアムロにセイラは驚いた。 「・・・大丈夫です。それよりどうしたんです、こんな所に?」 意外そうな顔をアムロはしている。 戦闘中以外でハンガーにわざわざ出向くセイラなど今まで見た事が無かったからだ。 もとより、こんな油臭い場所はセイラみたいな女性には似合わない。 出撃するMSパイロットをサブモニターの中から涼やかな声でオペレートする彼女こそが相応しい。 そう思っていた。いや、確かにそう思っていた筈だったのだが。 「あの、これ、ハモンさんやメイさんを手伝って、皆さんの分を作ったの。 せめて待機時ぐらいはちゃんとした食事を摂って欲しいって」 慣れない手付きでおずおずと差し出されたトレイには 暖かな湯気を立てるシチューと少しだけいびつな形のサンドイッチが乗っている。 うつむきながらセイラは頬を真っ赤に染めた。 「恥かしいわ・・・メイさんの方が私よりずっと上手なんですもの。 私ときたら今までお料理なんて殆どやった事が無くて・・・」 と、いう事は、これはセイラさんの手作り アムロはもう一度食事とセイラを見比べた。 ・・・確かに炊事で悪戦苦闘する彼女など、普段凛とした姿しか見た事が無い身としてはイメージすら湧かない。 彼女を少しでも知っている人は、試しにやってみるといいだろう。 「アムロと話がしたかったの。少しだけで良いのだけれど」 セイラのすがるような、それでいて真摯な眼差しに アムロの心臓は再び跳ね上がった。 8 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/04(日) 08 31 27 ID GH+9htui デッキの片隅に腰を下ろすと、アムロは慌てた様に食事を摂りはじめた。 並んで座ったセイラは暫く黙ったままその様子を見つめている。 「お、美味しいです。本当に」 ありがとうと答えながらセイラは穏やかな目で笑った。 この数日の間にアムロは本当に変わった、と思う。 上手く表現はできないものの、精神的に成長したように感じるのだ。 以前の子供っぽさが抜けて逞しさが出てきた気がする。まだ頼り甲斐とまでは言えないが。 そして、これは直感なのだが、自分の中に漠然とある「何か」をアムロと「共有」できそうな気さえするのだ。 勿論それは、単なる思い込みの類なのかも知れないが・・・ そんなアムロに以前は考えもしなかったであろう≪引力≫めいた物、を感じ始めている 自分を あの時のハモンの微笑みによって、認めざるを得なくなってしまった。 そう、あの時・・・ハモンがアムロに額を合わせた時・・・確かに自分は彼女に「嫉妬」したのだと。 セイラはアムロの横顔にごめんなさいと囁いた。アムロは驚いた様に顔を上げる。 過程はどうあれ、今回のアムロの行動は自分にとって絶好の機会だった。 それを利用するが如く事を進めている自分が申し訳なく思えてならなかった事を セイラは素直な言葉でアムロに話す事ができた。 アムロはそれを真剣に聞き、気にしないでくれ、自分もセイラの役に立てて嬉しいと答えた。 それは不思議な感覚だった アムロに寄り添うようにしていると言葉の輪郭がぼやけて行く 何かが、言葉にはできない何かが急激に二人の中に広がって行く気がする。 もしかしたらアムロとなら言葉なんて遠回しな物は必要無いのかも知れないとすら思える。 セイラは刹那の夢うつつの中で何とか言葉を紡ぎ出した ≪心を触られた≫としたら、こんな感じなのかしら、と・・・ 42 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/05(月) 01 03 27 ID HOOfuWL8 「あああっ!こんな所にいたっ!」 寄り添ってまどろみそうになっていたアムロとセイラの目を覚まさせたのは、 ハンガー中に響き渡る嬉しそうな少女の声だった。 声の主であるメイは、アムロの姿を見付けるとまるで子犬の様に全速力で駆け寄って来る。 もしも彼女に尻尾があったなら、千切れるほど振っているであろう勢いだった。 メイは走って来た勢いそのままに正座する姿勢になると、 その状態で1メートルほど床を滑ってアムロの目前にピタリと停止した。 思わずのけぞったアムロをキラキラした瞳で見つめている。 「MS-07H-2の戦闘データ見たの!すっごいねえ!尊敬しちゃう!!」 のしのしとオルテガがメイの後ろからやって来た。 面白くも無さそうに溜息を吐きながら、それでもメイの後ろに腕組みをしたまま仁王立ちになる。 まるでVIPに対する屈強なボディガードの装いだ。え、何で?とアムロは思ったが、 そんなオルテガを全く気にせずに、メイはアムロにずいと近付いた。 「何て言うんだろ、他では見る事のできない様な・・・凄く独創的な機動なのよ! 特に回避行動!何あれ!?ううん褒めてるのよ? 機体のポテンシャルを最大限に引き出さないと、まずあんな動きはムリね! それとアムロってバーニアの使い方が絶妙!あの気難しいエンジンをあそこまで 使いこなせるなんて本当に素敵!・・・」 メイの賞賛はまだまだ続きそうだ。どうして良いか判らないアムロは助けを求める様に 横にいるセイラに目を向けるが、何故か彼女はアムロの視線をすいと外すと立ち上がってしまった。 「・・・私はもう行くわね。それじゃ」 この世には「怖い笑顔」というものもあったのだとアムロは戦慄を覚えた。 何かが二人の間に繋がった、と、思えた直後なだけに・・・ マイナスの感情もほとんど物理的なダメージに増幅されて感じる気がする。 体と口が硬直して動かなくなったアムロは、虚しく口をぱくぱくするだけで、 去り行くセイラに声をかける事もできなかった。 「総員に伝える!10分後にバイコヌール基地に到着するぞ!着陸準備にかかれ!」 艦内放送のクランプの声が、今回だけは天使のそれに聞こえた。 心の中で胸を撫で下ろしたアムロは「行こう!」とメイとオルテガを促し 前を行くセイラを追ってブリッジに走った。 52 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/05(月) 09 57 57 ID HOOfuWL8 まだ豆粒ほどにしか見えないWBを眺めながら 風の吹きすさぶバイコヌール基地の滑走路脇にジオンの軍服を身に纏った二人の男女が佇んでいる。 「姉御、本当にやるつもりかい?」 「ふふ、ウチに配属されてまだ間もないってのに、随分馴染んだ物言いじゃないか、えぇ?」 妖艶な微笑を浮かべた美女は愛おしそうに隣に立つ男の頬を撫でる。 精悍な顔付きをした男は片眼を瞑って不敵に笑う。 「姉御との≪特訓≫のお陰だろ?それにここの水は俺に合う。 左遷(とば)されて良かったぜ。あのクソ野朗をぶっ飛ばした甲斐があったってもんだ」 「ジオンのエース『真紅の稲妻』が曹長に降格されてアタシの艦隊にねぇ・・・ 最初は何の冗談かと思ったよ」 くっくっと可笑しそうに女は哂う。 「戦闘中に部下を置いて逃げ出した上官をぶちのめして病院送りか。 本来なら軍法会議ものだろうが、上もアンタの才能を惜しんだんだろうね。 ギリギリまで降格させてアタシん所みたいなドブ泥に塗れた部隊に放り込むとはさ。 エリート街道まっしぐらだったんだろ?残念だが運が無かったんだと諦めな」 「いや、俺はツイてる。姉御みたいな良い女と出会えたからな。 それに、もともと親父が勝手に出した志願書で無理矢理入隊させられたんだ。軍に未練はねえよ。 今後は『独裁者』共の手先にならずに済むかと思うとせいせいするぜ」 「アンタがやって来ると聞かされたときゃ皆どんなツラした優等生が現れるのかと興味津々だったさ。 手荒い歓迎をしてやる心算だった奴らが殆どだったからね。勿論、このアタシもね」 女は男の頬に置いていた手を髪に這わせ、更に優しく愛しく撫で付ける。 「ところがどうだい。ものの数日でアンタはアタシの副官以下を全員実力で屈服させちまった。 殴り合いの喧嘩でも、MS同士のタイマン勝負でもね」 「ありゃタイマンじゃ無かったぞ。どう見ても4対1のハンデ戦だった」 あははは違いないねぇと女は大声で哂った。 「ウチの部隊は実力勝負がウリだからねぇ。 表向きはともかく、誰も『曹長』のアンタに逆らえなくなっちまった。 仕方ないからアタシが出ずっぱるしかなかったが・・・アンタ、ギリギリでわざと負けただろう?」 「・・・何の話だ?あれが俺の実力だ」 「ふふふ。まあいいさね、アンタには感謝してるんだ。 アンタが横にいるお陰で、悪い夢を見る回数が本当に減ったのさ・・・」 名残惜しそうに男の髪から手を離すと女はWBに向き直った。 「さてさて、獲物の到着だ。恐らくジオンで最後の仕事になる。 気張ってやろうじゃないか、えぇ!?」 軽く舌なめずりする女と、その横で不敵に笑う男。 WBの機影は、もうかなり大きくなっており、既に滑走路に着陸する態勢に入ったようだった。 101 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/06(火) 17 42 21 ID KjK1o4V/ 迫り来るバイコヌール基地全体から発せられるどす黒い怨念のような圧力を、 その時アムロは微かに感じ取った。 ふと横に目をやると、セイラの瞳も不安そうにこちらを向く所だった。 『セイラさんも何かを感じ取ったのか・・・?いや、女性の勘って奴か』 直接言葉には出さず、アムロは心の中で一人言ちた。 確証は何も無いが、嫌な感じだ。あの「ガンダムもどき」の危険な奴とはまた違う、 べったりと肌に纏わり付くような、悪意。そうか、これは悪意と呼べる程の・・・ その時、ブリッジに響く軽い衝撃がアムロの思考を打ち消した。 「ランディングギア接地、確認。各部異常なし。着陸完了しましたぜ」 クランプの声が響く。 この数日間で随分WBの扱いに慣れたのが、声に混じる少々の余裕で感じ取れる。 流石だな、と、アムロは頼もしく思った。 「ありゃあ、ザンジバル級ですぜ大尉。 ここに駐留している隊のものみたいですな」 コズンが窓の外を指し示す。確かにそこにはずんぐりしたシルエットが特徴の 機動巡洋艦が停泊していた。 漆黒の船体が鈍く太陽を照り返している。 「遠路はるばるよぉうこそバイコヌールへ! アサクラ大佐の代理司令官シーマ・ガラハウ中佐だ!」 唐突にモニターに現れた女性は、居丈高 に言い放つと肩をそびやかした。 アムロはその奔放な言い回しの影に潜んだ剣呑な何かに思わずぞくりとする。 厳しい顔をして横にやって来たハモンがアムロに何事かを囁いたのはその時だった。 「!?」 アムロは思わずセイラを振り仰いだ。 事情が飲み込めていないセイラは驚いた顔で二人を見返す。 ガウ攻撃母と輸送機軍はバイコヌール基地からの誘導によって、 ここから20キロ程離れた第二滑走路に着陸させられた為、その姿は見えない。 アムロは急に不安になった。 更に濃くなって行くどす黒い悪意が、まるで吹き付けられる様に そちらの方に流れ出して行く様な気がしたからだった。 105 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/06(火) 20 32 39 ID KjK1o4V/ 「御苦労。まあ寛いどくれ」 基地司令室に通されたラル隊一行を前にしてシーマ中佐は口を開いた。 シーマの横には精悍な顔付きの青年兵士がつき従っている。副官なのだろうか。 それにしては階級章の位がえらく低いなとクランプは胡散臭く思った。 「貴様らの辞令はこれだ。 木馬奪取の功績でランバ・ラル大尉は二階級特進でアタシと同じ中佐になった。 以下、それぞれ一階級ずつの昇進だ。おめでとう」 にやりと笑ったシーマはラルに辞令の束をバサリと投げよこした。 数枚の書類が宙を舞い床に落ちる。 あまりにぞんざいな扱いにラル隊全員が色めき立つが、ラルはそれを手で制する。 「謹んで拝命する」 「・・・ふん。面白くないね。青い巨星は伊達じゃないって訳かい」 鼻を鳴らしたシーマは含み笑いを漏らす青年兵士を睨み付けた。 シーマと目を合わせた男は我慢できない大声で笑い出した。 「駄目だ駄目だ姉御。そのテにゃ乗らないってよ」 「失礼だがジョニー・ライデン殿とお見受けする。 ワシの顔をお忘れか?」 手をひらひらさせてシーマをからかう素振りを見せたライデンにラルが声を掛けた。 唐突に出たトップエースの名前にラル隊がざわめく。 ライデンは少しだけ真面目な顔に戻すとラルに対して敬礼をして見せた。 「覚えておりますラル中佐!しかし現在曹長である私に対して 敬語は不要に存じます!」 「な、何と・・・!」 ルウムでの活躍で確か彼は大尉に昇進していた筈だ。 この僅かな期間で曹長に降格とは、一体彼に何があったというのだろう。 106 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/06(火) 20 33 30 ID KjK1o4V/ 「階級なんざアタシの部隊には関係ない。今やコイツは私の副官なのさ。 相応の敬意を払いな? コイツに舐めた口を利いたらアタシがタダじゃおかないよ!」 シーマはライデンにしなだり掛かりながらその場にいるラル隊全員を睨め付け言い放つと、 一転、うっとりした視線を彼の横顔に注ぎながら小声で付け足した。 ライデンは微動だにせず、不敵な笑顔も崩れない。 「そう、アンタを舐めて良いのは、アタシだけなんだからね・・・!」 完全にそう聞こえてしまったコズンが、思わずゴクリと生唾を飲み込む。 いろんな意味で、ここに姫様やメイやアムロが居なくて本当に良かったと心から思う。 が、そんな悠長な場合ではなかった。 シーマはライデンから離れると表情を更に厳しい物に引き締めたのだ。 「さて、本当は今の仕打ちに怒ったお前らが暴発してそれを納める為に 武力鎮圧・・・ってなシナリオだったんだけどねえ。 まあ、仕方が無い。順番が狂ったが、鎮圧だけさせて貰うよ!」 シーマの合図で司令室のドアが全て開き、完全武装したの集団が嵐の様に乱入して来た。 それは恐ろしく統制の取れた集団であり、全ての銃口がラル隊に向けられている。 ラル隊は全員両手を挙げ、完全降伏の意を示した。 124 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/07(水) 20 26 55 ID 2ur0WbEw シーマからの合図を受けた武装鎮圧隊は時を同じくしてWBにも突入した。 各班ごとに別れ迅速に各ブロックを制圧して行く。 まずMSデッキとブリッジがいち早く占拠され、その報告が次々とシーマの元に届く。 ――だが、人員確保の一報は一向に入って来ていない―― それがシーマをいらつかせていた。 着陸から監視させていた部下からはWBから外に出た者は 目の前のこいつ等以外はいないと報告を受けている。 つまり、WB内の何処かにいるはずなのだ。WBとMSを連邦から持ち出した≪下手人≫が。 そしてそいつは連邦からすればジオンに寝返った≪裏切り者≫でもある・・・ そいつらを捕まえて、更にこちらの株を上げる。それが『交渉相手』のリクエストなのだ。 「やれやれ。亡命者を一体どこに隠したんだい? おまえ等に聞いたってどうせ喋りゃしないだろうから無駄な事は省くが、 あんまり手間を掛けさすんじゃないよ」 うんざりした様なシーマの問いに、ラル隊は誰一人答えるものはいない。 彼らは一箇所に集められ、全員武装解除された後、手錠で拘束されていた。 コズンがかったるそうに軽口を叩く。 「あーあ。ちょいと前は俺達があっち側だったんだよなあ。 こりゃ、因果応報って奴かな?」 一斉にラル隊全員が苦笑で答える。 そのざわめきに紛れてハモンがラルに素早く囁いた。 「あなた」 「待て。奴の真意がまだ判らん」 ラルが素早く返す。この二人にはこれで充分だった。 非常時にはラル隊は何の打ち合わせも無く連携して行動する事ができる。 各々の分担が決まっているのだ。自分の役割を果たせた事に満足したコズンは 「勝手に喋るんじゃねえ!」 と、警備兵に銃架で手荒く殴りつけられても、鼻血を噴出しながら不敵に笑う事ができた。 125 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/07(水) 20 28 35 ID 2ur0WbEw 「しかしまあ、ブリッジとMSデッキを押さえられたWBは 飛び立つ事もMSを発進させる事もできなくなってるんだ。 後は、どこに隠れていようがシラミ潰しに見つけ出し、 アタシの前に引き摺り出すだけだ!」 「連邦へ亡命するのだな。取引相手は誰だ」 威勢良く言い放ったシーマにラルが冷静な声で核心を突く。 単刀直入なその一言に彼女はグッと押し黙った。 「ひるむな姉御。 流石は青い巨星。余計な問答が無いだけに話が早くていい」 「・・・誰が怯んでるって!?ふざけるんじゃないよ!」 腕組みした姿勢を崩さないライデンに対してシーマは激昂してみせる。 が、クランプは冷静にこの二人の中の真の主導権者を見た気がした。 「ふん。まあ、お前達は昇進直後にヘマやって全員降格される事になるんだ。 その哀れな身に免じて教えてやるよ」 「ジーン・コリニーあたりでは無いのですか?」 迷わず名指ししたハモンに対して シーマだけではなく今度はライデンすらもぎょっと眼を剥く事となった。 「・・・恐れ入ったな。全てお見通しって訳か。 だがもう遅い。どこに隠れていようが亡命者が見つかるのはもう時間の問題だ。 そいつが確保されたら俺達は木馬とMSを持って連邦軍に投降する」 ライデンの言葉にシーマが続ける。 「後腐れが無い様に、第二滑走路のガウと輸送機隊には連邦の掃討部隊を 送り込む手筈になってるのさ。 可哀相だがあいつらには人柱になって貰うよ」 「むう・・・!」 ラルは絶句する。予想以上にこの企みは狡猾のようだ。 しかし、彼の瞳には絶望の色は無い。どころか、 ラル隊全員がまるで何かに高揚しているかの様にも見える。 シーマとライデンはその様子に、得体の知れない薄気味悪さを感じていた。 126 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/07(水) 20 30 53 ID 2ur0WbEw アムロとセイラ。狭い空間の中に、息を殺した2人がいた。 バイコヌール基地に着陸する寸前、アムロはハモンに、ここにセイラと共に隠れる様に言われたのだ。 事が起こった後の、アムロがやるべき行動もラルに指示されている。 「恐らく抵抗しなければ、我々に手荒な真似はしないはずです」 確かにハモンはそう言った。今はその言葉を信じ、皆の無事を祈るしか無い。 アムロはセイラを後ろから抱きすくめる様な体勢になっている。 セイラの体重と髪の匂いが直接的に生々しく感じられ、不謹慎かも知れないが、 どうやっても鼓動が早まる自分を抑える事ができなかった。 彼女のお尻がアムロの腰に押し付けられている格好になっているから、 「その生理現象」は絶対、セイラにバレている筈だった。 嫌がられ・・・いや、嫌われてしまっただろうな・・・と 恐る恐るセイラの表情を後ろから盗み見ようとするのだが、 彼女は顔をうつむけてしまっており、髪が邪魔して良く見えない。 何故今回は、セイラと以前共有したと感じた不思議なシンパシーは現れないのだろう? 何か言わなくちゃとも思うが咽がカラカラで全く声が出せないし、何て言って良いのかも判らない。 ああもうこんな事ならジオンでも連邦でもいいから早くやって来てくれ! そのアムロの声に出せない魂の叫びが通じたのだろう。 モニターに映るMSデッキ入り口に、武装した兵士がわらわらと現れた。 銃口をあちこちに向け人がいないのを確認すると隊長らしき人物が通信機を取り出し、 どこかへMSデッキ確保の報告を入れている。 どうやら、ラル大尉とハモンさんの予想していた事態が起きてしまった様だ。 「セイラさん。奴等が来ました。予定通りやりますから 僕にしっかり掴まっていて下さい!」 いきなり決然と宣言したアムロにセイラは驚き、火照った顔で振り返った。 しかし集中力を研ぎ澄ましモニターを凝視しているアムロの眼には セイラの少しだけ潤んだ瞳も映ってはいなかった。 127 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/07(水) 20 31 56 ID 2ur0WbEw いきなり動き出した≪ガンダム≫に武装した兵士達は仰天した。 まさかパイロットが既に中におり、しかも発進準備が完了しているなどとは 考えもしていなかったのである。 手持ちのマシンガンを散発してみるが、ガンダムの装甲には傷一つ付かない。 「駄目だ!連邦のMSが逃げるぞ!俺達じゃどうにもならん!姉御に連絡だ!」 「た、隊長!あれを!まだ動くMSがあります!」 振り向いた男の目に入ったものは、単眼を輝かせてハンガーから降り立つ MS-09ドムとMS-06J陸戦型ザクの巨体だった。 144 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/08(木) 15 36 17 ID CkkdkpLK 「何!?木馬のMSが稼動しているだってえ!?」 「・・・やられたな。この事態をあらかじめ想定していなけりゃ出来ない事だ。 ランバ・ラル隊、恐るべし、だね」 一報を受けたシーマとライデンは両極端な温度差の驚きを示した。 ぎりっと歯を噛み鳴らしたシーマは、部下に手早くMS小隊を発進させて ガンダムを追跡するよう命ずる。 今にも自分が飛び出して行きそうになるのを必死で自制しているのが判る。 そんなシーマにライデンが向き直った。 「姉御、俺が出る。あのMSは何としても無傷で手入れなきゃならないからな」 「頼めるかい?でも無理すんじゃないよ、イザって時にゃ破壊したって構わないからね!」 あんなMSよりアンタの方が大事なんだ、そんな言外の視線を受けたライデンは おどけた様に「了解ッ!」と敬礼してから司令室を後にした。 145 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/08(木) 15 37 31 ID CkkdkpLK WBの格納庫を手動で開き、3体のMSはガンダム、ザク、ドムの順に滑走路に降り立った。 わらわらと武装した兵士達がその後を追うが、ガンダムの頭部バルカン砲で牽制され近付く事ができない。 しかしこの一連の動きの中で、武装兵士達の隊長であるコッセルは 3体の中でザクの動きだけがぎこちなく、何となく足元がおぼつかない事に気が付いた。 「バズーカを持って来い!あいつならやれるぞ!」 物陰に隠れ、部下に命じながらもチャンスを伺う視線は決して外さない。 「無傷で手に入れなきゃならないのは、連邦のMSだけだからな・・・」 姉御に連絡は入れたから、もうすぐこちらのMSも動き出す筈だ。 そうすりゃ相手の注意も逸れるだろう、充分歩兵が役に立てる機会はある。 コッセルの眼が獲物を狙う猛禽類のそれに変わっていた。 150 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/08(木) 18 13 01 ID CkkdkpLK 「メイ!早く!もっと急ぐんだ!急いで!」 バランスが悪く走行スピードが一向に上がらない陸戦型ザクにアムロが焦った声を掛ける。 MS-06Jを操縦しているのは何とメイ・カーウィンだったのだ。 「あれっ・・・おかしいな・・・こんな筈じゃ・・・!?」 メイは額に玉粒の汗を浮かべて必死にレバーやフットペダルを操作するが、 その拳動は一向に安定しない。オートバランサーのお陰で転ばずに済んでいるものの、 本来の移動スピードの半分にも満たないその動きに、アムロは気が気ではなかった。 「私の入手した情報によると、ここの基地司令官シーマは、 ジオン兵でありながら軍を憎む思想の持ち主です。 不確定ですが、連邦の高官と繋がりがあるとの情報もあります。 このWBとMSを掌中にしたら、何か良からぬ事を・・・企みかねない女でしょう」 あの時ハモンに言われた言葉が思い出される。 「形式的に我々は彼女に会う為に出向かなければなりませんが、 アムロ、あなたにはどんな事があっても姫様をお守りする役を命じます」 ハモンはその後アムロにガンダムにセイラと同乗する事を指示し、 WBに搬入されていたドムにはオルテガを、 実際の操縦経験は無いもののMSに精通しており「操縦できる」と豪語したメイには MS-06Jに搭乗させてMSデッキでコックピットカバーを閉じた状態で 待機させていたのだ。 もちろんいつでも稼動できる準備を整えたままで、である。 「もしMSデッキに≪賊≫が侵入して来た時は、非常事態が発生したという事です。 その場合は直ちにMSを起動させそのまま第二滑走路に向かい、 速やかにダグラス大佐の部隊と合流なさい。 あちらにはガイア大尉達もいます。臨機応変に事態に対応して下さる事でしょう」 その時のアムロの、 そんな事をしたらラル隊の皆やハモンさんはどうなるんですという問いに対して彼女は 「勝算はあります。あなたが心配せずとも宜しい」 とだけ答えてアムロからの質問を一方的に打ち切ってしまった。 そして、アムロだけに聞こえる声でこう付け加えたのである。 「もしもの時には・・・動きの鈍いザクをおとりにしてお逃げなさい」 ・・・と。 それを聞いて激昂しそうになったアムロを制してハモンは 「あくまでも『もしも』の時の話です。 そのくらいの覚悟を持って姫様をお守りなさいという事です」 と、さらりと流してしまった。 アムロは、モニターに映るザクのふらふらした動きを見るたびに ハモンの不吉なセリフが頭に浮かびそうになるのを必死で打ち消していた。 174 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/09(金) 17 02 18 ID JdrfSMGD 基地格納庫から6機のMSが次々と現れた。 全てMS-06ザクである。モニターで全機の機種名を確認したアムロは 「ホバー付き」の機体が無い事に少しだけ胸を撫で下ろした。 あの装備の平地での有効性を、自らMS-07Hを操縦した事で改めて思い知っていたのだ。 通常歩行しかできないザクが相手ならば、いきなり相対距離を詰められる事はありえないだろう。 しかし・・・ 「ああっ!?」 メイが小さく悲鳴を上げる。 最初からおぼつかない足取りだったメイの操縦するザクは、 何度かのたたらを踏んだかと思うと、よろけるように立ち止まってしまった。 「どうして・・・!」 メイの瞳に悔し涙が浮かぶ。 幼少の頃からMSに接し、誰よりも知識が豊富だと自負していた。 パイロットとしての資格は無くとも、MSを操縦してのガレージ間の移動などは 何の問題も無くこなせていたのに。 背後から武器を持った「敵」が追い駆けてくる そう思っただけで、身がすくみ、通常なら出来ていた筈の簡単な操作すらまともに行う事ができない。 怖い、怖い、助けて。頭に浮かぶのはその言葉ばかり。 冷静になろうとすればする程、操作の手順を間違えてしまう・・・ 「立ち止まるな!歩くんだ!歩け!」 オルテガのドムがザクの腕を掴み、揺さぶった。 檄を飛ばしながらも、オルテガは6機のザクとの相対距離を測っている。 射程距離まであと少ししかない、それを過ぎれば敵は一斉に攻撃して来るだろう。 『まずいな・・・敵の数が多すぎる。メイのザクを守りながらでは、ドムの 機動性は殺される。狙い撃ちだ。 一斉攻撃を受ければいくら装甲の厚いドムといえど・・・』 オルテガの心の中の葛藤を見透かした様にメイが涙声で叫んだ。 「私に構わず行って下さい!早くダグラス大佐達と合流を!」 「馬鹿野朗!そんな事が出来るか!・・・アムロ!」 メイを叱り付けたオルテガは、振り向きざまにアムロに声を掛ける。 既に敵の2機のザクがこちらに向けてマシンガンを乱射し始めていた。 「メイは俺が引き受ける。お前はこのまま第二滑走路に急げ!」 「何ですって!?」 アムロはハモンの言っていた最悪の状況になりつつある現実に歯噛みした。 293 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/11(日) 02 07 14 ID ??? ――アムロはぎゅっと眼を瞑った。 もしやハモンはこうなる様に最初から状況を構築していたのでは・・・と、アムロは戦慄する。 まともな操縦経験が無いメイを、機動力の劣るザクに敢えて乗せ、 アムロとセイラの乗ったガンダムを逃がす「捨て石」とする。 メイを見捨てるはずの無いオルテガのドムを一行に随伴させ、 これも「捨て石」としてガンダムが逃げる為の時間を稼がせる・・・ 全ては、どんな犠牲を払おうと「アムロとセイラを逃がす」という 最優先事項遂行の為の冷徹な作戦だったのではなかったか。 ハモンさんが悪い訳ではない。彼女は最善と思われる手を打っただけの事なのだろうとアムロは思う。 戦場では甘っちょろい理想論など通用しない事など、もう判っている。 そして、兵士というものは、任務遂行を何より優先しなくてはいけない事も知っている。 ――でも アムロは強烈に自覚する。この絶望的な状況を打破し、 運命を切り開きたいと渇望する自分がいる事を。 『自惚れるなと言った筈だ!』 ラルに言われた言葉が思い出される。 アムロは目を閉じたまま首を振り、冷静になろうと勤めた。 もし自分が無謀な行動を取れば、一緒にいるセイラを危険に晒す事になる。 ハモンがお膳立ててくれた「最優先事項の遂行」を放棄する事になる。それでは本末転倒だ。 やはりここはオルテガに任せ、メイを見捨ててセイラを連れて離脱するのが最善なのだろうか・・・ ――アムロは決然と眼を見開いた。 もうその瞳には迷いによる曇りは微塵も見出す事ができない。 アムロが猛然とフットペダルを踏み込むと、ガンダムはそれに答え軽々とその機体を飛翔させてみせた。 294 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/11(日) 02 12 03 ID ??? いきなりバーニアジャンプでドムを飛び越し、 シールドを構え敵の目前に降り立ったガンダムにオルテガは仰天した。 「アムロ!この馬鹿野朗が!先に逃げろと言った筈だ!」 「敵の狙いはガンダムです!僕が奴等を引き付けますから中尉はメイをフォローしながら 第二滑走路に向かって下さい!」 「それは俺の役目だ!出しゃばるんじゃねえ!」 「中尉!そのMSの方がガンダムよりパワーがありそうです。 不安定なメイのザクをサポートするならそちらの方が都合が良い! 敵をある程度撹乱したら僕も離脱します!ガンダムが本気を出せばザク程度では 絶対に追いつけませんから! 僕ら『全員が生き残る』為にはこれが最善の方法なんです!」 「ぐ・・・」 最悪自分一人の犠牲でと考えていたオルテガが絶句する。 モニターにはそろそろ届き始めた敵のマシンガンの弾丸をじりじりと後退しながら シールドで弾き返すガンダムが映っている。 もう一刻の猶予も無い。議論している余裕は無くなってしまったのだ。 「アムロ!これを使え!」 オルテガは、自らのドムの背部ラックに装備されていたヒートサーベルをガンダムに投げ渡した。 アムロはモニター越しに、ガンダムが初めて手にするそれを細部まで確認する。 「お前なら使いこなせるだろう!グリップの所にスイッチがある!切れ味を高めたい時は押し込め! 俺が特注した特別製だ!そいつは、切・れ・る・ぜぇ!?」 歯を剥き出して笑うオルテガにアムロは親指を立てて答えた。 「ありがたい! ガンダムのエネルギーを温存する事ができます!」 何しろ相手は6機。用心に越した事は無いのだ。 その相手はもうすぐそこまで迫っている。シールドに当たる弾丸が明らかに増えて来ているのでそれと判る。 「メイ!走れるか!?」 「済みませんでした!もう大丈夫です!」 ようやくパニックを脱したメイが、今度は慎重にザクを操縦している。 オルテガのドムはザクの真後ろに付き、バズーカを構え、 ホバーを稼動させてバック走行させながら敵の動きを牽制しつつ、離脱を始めた。 その様子をバックモニターで確認しながらアムロは、腕の中のセイラに語り掛けた。 「・・・セイラさん。僕はあなたに謝らなきゃいけない」 思わず眼を伏せようとしたその時、セイラがずっと自分を見つめていた事にアムロは気が付いた。 戸惑うように視線を合わせると、彼女は穏やかに微笑み答えた。 「どうして?あなたが守って下さるのでしょう?」 驚き、思わず「え?」と聞き返してしまったアムロに セイラは自信たっぷりにこう宣言したのだ。 「大丈夫。あなたならできるわ」と・・・ 355 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/11(日) 22 04 43 ID ??? 「何だいあのMSは!!6機のザクに立ち向かうつもりかい!?・・・舐めやがって!」 シーマがぎりりと歯を噛み鳴らす音が聞こえる。 彼女の視線の先には基地司令室の大型モニターがある。 そこにはドムとザクを逃がし、たった1機で6機のザクと対峙するガンダムが映し出されていた。 「あの子ったら・・・」 額を押さえながら俯いたハモンはそれでも苦笑している。 ラルもそんな彼女を横目で見やり、愉快そうに口元を歪める。 「これは懲罰ものだな!だが・・・」 「はい。あなたの言われた通りになってしまいましたわね」 肩をすくめながらハモンは溜息をつく。 ハモンの言い渡した作戦を恐らくアムロは蹴るだろう、と、あらかじめラルは予想していたのだ。 2人のやりとりを知っているアコースとクランプは思わず顔を見合わせて吹き出した。 一方コズンは、視線をモニターから外さない。完全に釘付けになっている。 「やってみせろアムロ、お前の力をもう一度俺達に見せ付けてみろ・・・!」 思わず拳を握り締めたクランプの口から呟きが漏れる。 WBを制圧した時のガンダムの動きは、今でもラル隊全員の眼に焼き付いて離れないのだった。 その時、シーマがマイクを引っ掴み、怒鳴り込む声が司令室を震わせた。 舐められたらこの世界は終わりだ。 常日頃からそう考えている矜持の塊りの様な女性からまるで蒼白いカゲロウが 立ち上っているように見えた。 「ライデン!アタシ達は舐められたんだ!!命令変更だ! あの白いMSを全力攻撃!必ず撃破するんだ!いいね!」 ライデンはそのシーマのがなり声をMSハンガーで聞いていた。 「発進準備は整ってる。だがちょっと待ちな姉御。 まずは奴のお手並みを拝見と行こうじゃないか」 ライデンの鋭利な視線はモニター越しにガンダムに注がれている。 その時アムロは―― 目の前の6機のザクとは別に、自分をどこかから見つめている、 まだ見ぬ強敵の匂いを感じ取った気がしてぞくりと身を震わせた。 497 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/13(火) 00 08 37 ID poRCvMdX セイラは今、アムロの膝の上で横抱きの状態になり、アムロの胸に顔を預け眼を閉じている。 その表情はあくまでも穏やかであり、不安など微塵も感じていないのが判る。 口先だけではなく、完全に自分を信じて全てを委ねてくれた姿だった。 やはりこの人は美しいと、その横顔を見てアムロの胸は愛おしさに熱くなってゆく。 それと同時に、普段以上に自分の感覚が砥ぎ澄まされて行くのを感じていた。 自らの目は確かにさっきまでと同じ様にメインモニターを介して外の状況を見ている。 しかし、まるでガンダムの装甲を≪透かして≫外が見えている感じがする。 視覚領域が広がってゆく様な気がするのだ。 刹那、そのアムロの感覚は、目前の6体のザクではなく、 ザクのやや後方に位置する一台のエレカに注目した。 更に意識を集中させると、その荷台に人がおり、小型ミサイルバズーカを構えているのが判った。 しかし何故かその砲口はガンダムに向いてはいない。 アムロは戦慄した。 狙われているのは、ガンダムでは無く、今ガンダムの背後を懸命に退避歩行している メイのザクだという事に・・・! アムロは迷い無くガンダムの左手で構えていたシールドを勢い良く地面に向けて急角度で投擲する。 シールドはまるで弾丸の様に宙を飛び、ガンダムからやや離れた滑走路の路面を削りながら 深々と斜めにめり込み突き立った。 そして次の瞬間、今まさに発射された小型ミサイルがその急造の壁に命中し炸裂したのだった。 「な・・・何だと!?」 いきなり飛んで来たシールドに自分の放ったミサイルの弾道を妨害されたコッセルは仰天した。 思わずガンダムを振り仰ぐと、白いMSのギラリと光る相貌と眼が合ってしまった。 冷水を浴びせられたかの様にコッセルの体が総毛立つ。 「ひ、引け!退却だ!!」 運転席の兵士に声を掛けるとエレカは大慌てでUターンし、 その場を急スピードで離脱してゆく。 「冗談じゃねえぞ・・・何だあいつは・・・・」 コッセルの震える声は、エレカを運転する兵士に届き、 同様に戦慄を感じていた彼は、一刻も早くこの場から離れようと 更に強くアクセルを踏み込むのだった。 549 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/13(火) 23 06 29 ID poRCvMdX シールドを自ら手放した瞬間、既にアムロはガンダムを次の行動に移行させていた。 MS-07Hを操縦した事で、アムロにはあるMS機動のアイディアが閃いていたのだ。 プロトタイプ特有の強力な推進力を持つガンダムなら、それは可能な筈だった。 「セイラさん。顎を引いていて下さい。舌も噛まない様に気をつけて!」 微かに頷くセイラの気配を感じたアムロは、思い切り体勢を低くさせたガンダムを「真左横」に跳躍させた。 地面からガンダムの右足が離れた瞬間にランドセルのバーニアを一気に吹かし、 そのまま十数メートルの距離を地面と平行に滑空する様に移動する。 そしてガンダムの体が着地する前に左足で強引に地面を蹴りつけると同時にバーニアの角度を変え、 体を捻りながら同じ要領で「真正面」に再度滑空ジャンプする事でガンダムは、 一瞬のうちに密集隊形を取っていた6機のザクの真後ろを取って見せた。 それはバーニアジャンプを超低空で行なう、まるで擬似ホバー移動とでも呼べる様な動き。 まさにアムロの思惑通り、の機動だった。 ザクのパイロットのうち、このガンダムの疾風の様な一瞬の動きに対応できた者は唯の一人もいなかった。 恐らく目の前で何が起こったかすら判ってはいない事だろう。 今の今までガンダムに無慈悲な銃弾を浴びせ掛けていた筈のザク6体は、 次の瞬間には、全機ガンダムに無防備な背中を晒している格好となった。 ガンダムはオルテガのドムから借り受けた特別あつらえのヒートサーベルを軽く振り下ろし、 勢いをそのままにザクに向かって踏み込んで行く。 重さがいい。こいつはガンダムの手に馴染む。いけそうだ。 既に蒼白く発光しているそれは、まるで「獲物」を渇望しているかのごとく殺気を放っている。 今のアムロには一分の油断も無い。 先の戦闘ではそれで「ガンダムもどき」に痛い目を見せられた。 もう同じ轍を踏む訳には行かない。 最後方のザクのモノアイがこちらを振り向くのがアムロの眼にはまるでスローモーションの様に見えた。 「斬り込む!」 自らを鼓舞するアムロの気合と共に、ガンダムは嵐の様にザクの群れに襲い掛かった。 604 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/14(水) 15 54 16 ID prC8fhJN 「・・・こいつはまいったね」 ガンダムの動きをモニターで凝視していたライデンは、口惜しそうに苦笑した。 そのテクニックは割とあら削りではあったが、地上でMSにあんな動きをさせる奴は 『他にいない』と思っていたのだ。 モニターの中では、ガンダムに至近距離まで接近された2小隊6機のザクが 思うさま蹂躙されている。 なまじ密集隊形を取っていただけに迂闊にマシンガンを撃つ事ができず ヒートホークを構える間も無く次々と切り伏せられてゆく。 ガンダムはあえてコックピットと動力部を避けてヒートサーベルによる斬撃を振るっている様に見える。 そこにはある種の余裕すら感じられ、それがまたライデンの癇に障るのだった。 「予定が早まっちまったが、出るぞ!」 格納庫の薄暗闇の中に、エンジンの音が高らかに鳴り響き 雄々しく、そして静かな闘志を秘めたモノアイが輝いた。 605 :1 ◆Zxk1AsrDG6 :2009/01/14(水) 15 55 05 ID prC8fhJN その時、アムロの脳裏に電光が奔る。 それは5体目のザクのマニュピレーターを、握ったマシンガンごと切り落とした瞬間の事だった。 思わずガンダムの顔をその方向に振り向ける。 真紅のザクがゆっくりと格納庫からその姿を現す。 『赤いザクだって!まさかシャア!?』 ・・・だが瞬時にいや違うとアムロは思い直した。 シャアからは何時も感じられていた淀んだ闇のような感覚があの赤いMSからは抜け落ちているのだ。 確かにシャアではない、が、ひりついた感覚が相手が只者ではない事を物語っている。 シャアに匹敵する強敵であろう事は間違い無いと思える。 アムロは油断無く、残ったザクに視線を残しながら距離を取り ヒートサーベルを構え直した。
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アムロ「セイラさんとは一番の長い付き合いだな。だが最も着かず離れずの間柄でもある」 アムロ「ベルとは同棲紛いのことをしていたな…彼女の叱咤が無ければ今の僕はないかもしれない」 アムロ「カニンガムは良い部下だよ。打てば響く彼女の感性は僕にはないからね」 アムロ「アリョーナの手作り料理は何よりの癒しの1つ。同禽するといつも彼女の丸っこい背中に鼻を埋めてしまう」 アムロ「チェーンはプライベートでは存分に甘えてくるくせに仕事となると容赦ないな。そのギャップもまた良し」 アムロ「クスコ・アルとはセイラさん以上に複雑なんだ。たまたまBARで一緒になると彼女は『ロンドンブリッジ』を弾いてくれる…僕だけにね」 アムロ「ユウリは一途なイイ娘だ。従順だから常に新鮮……ただ、段ボールで隠れたりするのは…いや、なんでもない」 リボンズ「ふう…まあ、こんなとこだね」 ARチップ「オリジナルの隠れた気持ちを抜き出すなんて、お茶のこさいさいサ☆」 アマクサ「これを彼女達に送信送信♪」 DOME「モチロン全てのログをね☆」 全員「「「「常識だよねぇ~~~♪後は野となれ山となれ 受けとれ愛のテレパスィ~~(はぁと)」」」」ミュミュミュミュミュ
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703 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 18 26 04.98 ID ??? セレーネ「ねぇ刹那 あの子もアンタと同じでELSを体に取り込んでいるのよね」 刹那「たしかそうだがそれがどうした?」 セレーネ「NTってELSが引き寄せる力あるかなって思ってね」 カミーユ「セレ姉、そんな力あったら刹那にいろんな人が引き寄せられるから違うんじゃないか」 シン「それにELSってイノベイターの持つ脳量子波に反応するんだろ。 NTのアムロ兄さんに普通なら反応しないはずだよなぁ」 セレーネ「つまり実は兄さんはイノベイターだったりして」 カミーユ・刹那「なっ なんだってぇぇぇぇぇ アッ アムロ兄さんがイノベイター」 シーブック「なんとぉぉぉぉぉー」 シン「シーブック兄久しぶりだな。そのセリフ」 706 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 18 37 27.84 ID ??? キラ「ELSと一緒のアーミアちゃんはアムロ兄さんを想うとつい金目になっちゃうの」 ウッソ「キラ兄さん、それはナイスなタイトルですよ!」 708 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 18 44 06.56 ID ??? ルー「え…じゃあルイスが金目になってる時ってもしかして発情して…」 ルイス「違う!!」 709 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 18 53 08.13 ID ??? アーミア「え、違うんですか?」 710 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 18 54 13.97 ID ??? ラル「金目と言えば金目鯛だな」 ロラン「地域によって呼び方が違いますけど、煮付けにすると美味しいですよね」 ラル「深海魚でもあるが…油が乗っている故、煮付けの他にもムニエルやブイヤベースも美味いぞ」 712 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 19 56 59.21 ID ??? 710 アーミア「なるほど…私達金目鯛だったんですね♪」 ルイス「ちょっとー、誰かこの天然どうにかしてー」 713 名前:通常の名無しさんの3倍 :2012/05/13(日) 21 01 08.08 ID ??? 刹那「脳量子波で直に間違いを正せば……」 数分後 刹那「俺が!」 アーミア「私たちが!」 「「ガ ン ダ ム だ !」」 アムロ「マリナさんもネーナちゃんもダメならいっそ……!」 シャア「そうやって相手を増やしすぎると何れ身動きが出来なくなるぞ、お前のようにな」
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228 通常の名無しさんの3倍2016/12/04(日) 22 53 25.95 ID 9iau/r420 ロラン「アムロ兄さん」 アムロ「ど、どうしたロラン、顔が怖いぞ」 ロラン「このところの流れを受けて、やっぱりアルやシュウト、 場合によっては二人とも、アムロ兄さんの子供なんじゃないかと言う声が」 アムロ「ブフォォ!」 セレーネ「あー、シュウトで19、アルなら18かぁ・・・あるわね!」ピキーン! アムロ「無いわっ!」 ロラン「本当ですね?」ゴゴゴ アムロ「天地神明に誓って無いっ! 目を赤く光らせるな!」 セレーネ「ウッソとフリットなら16才のt」 アムロ「お前も混ぜっ返すな! その頃俺がどんな状況だったか知らんとは言わせんぞゴラ!」 229 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 10 07 27.47 ID 2QbLv9180 アルとシュウトが兄さんの子供なら母は誰? アムロさんってもしかしてロリコン? 230 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 10 25 43.54 ID PrRXWUsR0 229 赤い人「やはりアムロは私と来るべきだ」 231 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 12 56 07.77 ID X9B8GaKzO 229 刹那「真のガンダムであるアムロ兄さんならばMSとの間から子供を作ることも可能だ」 232 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 13 23 28.01 ID wjbV9Y2U0 231 シュウト「え、じゃあキャプテンもアムロ兄ちゃんの子供?!」 アル「僕達兄弟?」 アムロ「待て」 234 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 15 01 05.02 ID X9B8GaKzO 232 刹那「アムロ兄さんがガンダムを孕ませてできたのがウッソとキオでアレックスと浮気してできたのがフリットだ。ちなみにアルはディジェに産ませた子供だ」 アル「だから僕ジオン系MSが好きなんだ…!」 シュウト「僕は?」 刹那「兄さんがスダ・ドアカワールドに行った時、誰かに産ませたのだろう。髪型的に俺は法術師ニューが怪しいと睨んでいる」 シュウト「僕、異世界とのハーフなんだ…!」 キャプテン「では私は?」 刹那「無論、νガンダムだ」 キャプテン「!?」 シロー「なんかキャプテンがνガンダムから出てこないんだけど」 マイ「『わたしだって母親に甘えたいんだ!』とか言って」 アムロ「刹那ー!刹那ちょっと来なさーい!?」 235 通常の名無しさんの3倍2016/12/05(月) 16 35 23.66 ID EJU8CuNC0 刹那「(怒られて正座中)…何故だ、解せない」 シン「いや解せよそこは」 240 通常の名無しさんの3倍2016/12/07(水) 21 32 53.41 ID dmF8CmY30 232 このスレじゃキャプテンはアムロが作ったってことになってるから、 キャプテンがアムロの子供だと言えなくもないw ベルウッド「ただそうなると、母親はこの人って事になるが」 カオリン「ホアッ?」 ジュリ「まさかの年上趣味!?」 ハロ長官「・・・落ち着きたまえ」